- 神奈川県獣医師会は、横浜市と川崎市を除く県域を活動地域として、約600名の獣医師が所属しており、本会の活動理念や目的に賛同された22の団体が賛助会員として入会しています。本会は、昭和2年に設立され、昭和24年4月に社団法人となり、平成25年4月には公益社団法人として新たな一歩を踏み出し、当初の設立以来今年で96年を迎えました。
- 本会は、設立以来会員の獣医学術の向上に努めるとともに、事業や活動を通して技術と専門知識を持つ高度専門職業人の組織として、社会に貢献しています。
- 会員には、個人や団体で小動物や家畜の診療を行う臨床獣医師以外にも、公務員として、家畜保健衛生のための農家指導や家畜伝染病予防業務を担う家畜保健衛生所、安全な食肉の確保のための検査機関である食肉衛生検査所、食品製造施設や飲食施設を監視指導する保健福祉事務所(市保健所)、動物由来感染症対策や動物福祉の指導・普及啓発を行う動物愛護センター、野生傷病鳥獣の保護活動や普及啓発を行う自然環境保全センターなど、県や市等の行政機関に従事する者も多く在籍しています。本県には、麻布大学と日本大学の2つの獣医学科を擁する大学があり、教職員の多くが会員となっているのも本会の大きな特徴で、連携して行う学術事業は、会員の学術・技能の向上にも大きな役割を果たしています。
- 会員は、自らの仕事を通じて社会貢献するだけでなく、本会の公益目的事業活動に参加し、行政や関係団体と連携してその事業を支える大切な役割を担っています。また、本会は盲導犬や聴導犬等の補助犬を必要とする方々が安心して生活ができるよう、補助犬の健康管理の支援も行っています。組織としての本会の欠かすことのできない役割として、危機管理への備えと行政への協力があります。今後、県内で大きな災害が発生した場合や、狂犬病のように人命に関わる感染症が発生した場合に備えて体制を整えており、そして、県動物愛護センターとの獣医療連携、家畜伝染病発生時の防疫活動連携等、行政との万全な連携体制も構築されています。
- 会員は、従来からの狂犬病予防業務等の重要な仕事に加えて、近年、医療・獣医療関係者の間で共通の「One Health」の理念のもと、神奈川県医師会との学術協定連携をはじめ獣医師に関わりのある、あらゆる分野でのニーズに的確に対応できるよう常日頃から開かれた学術講習会やセミナーを開催し、会員の学術研鑽に努め、さらに社会への貢献度を高めています。これらは本会が公益法人であるからこそ成し得ることですし、公益法人である獣医師会会員としての使命であり、また、誇りでもあると考えております。本会は、今後も人と動物が共生できる社会の実現を目指し、公益法人として責任ある活動を続けてまいります。
県民の皆様には、どうぞ私たち神奈川県獣医師会の活動をご理解くださるようお願い申し上げます。
- 令和5年6月22日
- 公益社団法人 神奈川県獣医師会 第12代会長 博士(獣医学) 鳥海 弘